- 雪中キャンプに興味はあるけど、何が必要かわからない
- 冬の寒さの中でキャンプなんて、本当に楽しめるの?
- 雪の中でのアクティビティって、どんなものがあるんだろう?
美しい雪景色の中で行うキャンプは魅力的ですが、雪の中で安全にキャンプを楽しめるか不安に感じる方は多くいます。この記事では、雪中キャンプならではの魅力や楽しめるアクティビティ、雪中キャンプの必需品や注意点までを網羅的に解説します。
記事を読めば、雪中キャンプの不安が解消され、素敵な思い出を作ることが可能です。雪中キャンプの醍醐味は、雪のアクティビティや美しい星空、雪景色の中での焚き火です。防寒対策や雪用の装備を準備して注意点を守れば、初心者でも安全に雪中キャンプを満喫できます。
雪中キャンプの魅力

雪中キャンプの魅力は以下のとおりです。
- 雪のアクティビティを楽しめる
- 美しい星空を観察できる
- 焚き火を楽しめる
- 虫が少ない
雪のアクティビティを楽しめる
雪中キャンプでは、普段は味わえない体験を楽しめます。雪を使って楽しめるアクティビティは以下のとおりです。
- 雪合戦・雪だるま作り
- かまくら作り
- ソリ滑り
- スノーシューイング
- 動物の足跡観察
- 雪景色撮影
- スノーキャンドル
美しい星空を観察できる
雪中キャンプでは、手が届きそうなほどの美しい星空が観察できます。冬は空気が澄んでおり、キャンプ場は周囲に人工の灯りが少ないため、星の輝きが際立ちます。オリオン座や冬の大三角など、冬を代表する星座もくっきりと見つけることが可能です。
静寂な雪景色の中で星空を眺める体験は、日常では味わえないぜいたくな時間が得られます。運が良ければ、夜空を横切る流れ星を見つけられる場合があります。アプリや星座早見盤で星座の位置を調べたり、三脚を用いて星空の写真を記録したりして、より深く星空の世界を楽しみましょう。
焚き火を楽しめる

雪中キャンプでの焚き火は、暖を取りながら心身ともに温まります。雪景色の中で炎を見つめる時間は、夏のキャンプでは味わえません。真っ白な雪景色の中で揺らめく炎は幻想的で、日常を忘れさせてくれる特別な空間を作り出します。
焚き火にはリラックス効果があり、薪がパチパチと燃える音や、木の良い香りを感じながら心地よく過ごせます。
虫が少ない
寒い冬の環境では、ほとんどの虫が活動できなくなるため、雪中キャンプで虫に刺される心配はほとんどありません。虫刺されによるかゆみや、虫による嫌な思いを感じずに過ごせます。虫よけスプレーや蚊取り線香などの虫対策グッズは不要で、食事の準備や食事中に、虫が寄ってくる煩わしさもありません。
テントの中に虫が入ってくる心配も少ないため、安心して過ごせます。
雪中キャンプで楽しめるアクティビティ

雪中キャンプでは、冬ならではの遊びを満喫できるため、忘れられない思い出が作れます。雪中キャンプで楽しめるアクティビティは以下のとおりです。
- かまくら作り
- スノーシューイング
- スノーキャンドル
かまくら作り
かまくら作りは、子どもだけでなく大人も夢中になれる秘密基地を作るようなワクワク感が楽しめます。安全で快適なかまくらを作るために、以下の点を意識しましょう。
- 雪の質
- 道具
- 形
- 入り口
- 壁の厚さ
かまくら作りには新雪ではなく、ある程度固まった雪を選びましょう。スコップの他に、固まった雪をノコギリのように切り出せるスノーソーがあると便利です。かまくらを作る際は、雪をドーム型になるように積み上げます。風の吹き込みを防ぐために、入り口は風下側に設けましょう。
壁の厚さは30cm以上を目安にすると、かまくらが頑丈になります。内側から雪を削って形を整え、天井には空気穴を確保しましょう。かまくらが完成したら、中に入る前に必ず強度を確かめてください。
スノーシューイング

スノーシューイングは、スノーシューを履いて、雪原を散策するアクティビティです。特別な技術や体力は不要なため、初心者でも楽しめます。スノーシューイングは、まっさらな新雪の上を歩く独特の浮遊感を味わえることが魅力です。静寂に包まれた冬の森や雪景色の中を自由に探検できます。
スノーシューを装着すると、深い雪でも足が沈み込みにくく快適に移動できます。スノーシューはレンタルできる場所が多いので、手軽に体験可能です。
スノーキャンドル
スノーキャンドルは、雪と灯りを使って美しい空間を作り出すアクティビティです。キャンドルやLEDライトの温かい光が真っ白な雪に反射して、キャンプサイト全体がロマンチックな雰囲気に包まれます。
スノーキャンドルは、バケツや牛乳パックに雪を詰めて固め、真ん中をくり抜いて、キャンドルやLEDライトを置くと完成です。雪玉を壁になるように積み重ね、中にキャンドルやLEDライトを置くことでも、スノーキャンドルが作れます。
火を使わないLEDライトを選べば、小さな子どもがいても安心して楽しめます。風でキャンドルの火が消えないように、風上側に雪で壁を作るなどの工夫もおすすめです。
雪中キャンプの必需品

雪中キャンプを安全かつ快適に楽しむには、厳しい寒さや雪に対応するための準備が欠かせません。雪中キャンプを安全に行うための必需品は、以下のとおりです。
- 防寒具
- 寝袋とマット
- 冬用テント
- 調理器具
- スノーブラシ・スコップ
防寒具
雪中キャンプでは、寒さから体を守るための適切な防寒具が必要です。体が冷えるとキャンプを十分に楽しめず、体調を崩す原因にもなります。手足や首元など、冷えやすい部分をしっかり温めることが大切です。雪中キャンプでは、以下のアイテムをそろえましょう。
- 防水防風アウタージャケット
- 保温ミドルレイヤー
- 吸湿速乾ベースレイヤー(肌着)
- 防寒パンツ
- ニット帽・防寒キャップ
- ネックウォーマー・マフラー
- 防水保温手袋
- 厚手保温靴下(複数枚)
- 防水防滑ブーツ・冬用登山靴
- 使い捨てカイロ
防水防風性に優れたアウタージャケットで雪や風から体を守ります。アウタージャケットの下に着用するミドルレイヤーには、フリースやダウンなどの保温性の高い素材が適しています。ベースレイヤーは直接肌に触れるため、汗をかいても体を冷やさないように、吸湿速乾性のあるものを選びましょう。
寝袋とマット

雪中キャンプでは、地面からの冷え込みへの対策を行わないと寒くて眠れません。寝袋だけでは地面からの冷気を防ぎきれません。寝袋の下にマットを敷けば地面からの冷たさを遮断し、寝袋の保温力を最大限に生かせます。
寝袋は寒さに強い冬用のものを選び、氷点下に対応できるものがおすすめです。形状は、体をすっぽり包み込み、保温性に優れるマミー型寝袋が適しています。素材は、軽くて保温性が高いダウン素材か、ぬれに強く手入れが簡単な化学繊維の素材を好みに応じて選びましょう。
雪中キャンプで使うマットは、地面からの冷たさをどれだけ防げるかを示す「R値」が4.0以上のものを選ぶと安心です。雪の上では、マットを複数枚重ねて使うことで、より暖かく過ごせます。
寒さが心配な場合は、インナーシュラフを寝袋の中に入れたり、シュラフカバーで寝袋がぬれるのを予防したりする方法もあります。
冬用テント
雪中キャンプには冬用テントが不可欠です。冬用テントは夏用テントとは異なり、雪や寒さ、強風といった厳しい冬の自然環境から身を守るために、特別に設計されています。雪の重みや強風に耐えるために、冬用テントのポール(骨組み)はしっかりしており、厚手な素材が用いられます。
冬用テントは、フライシートとインナーテントから成るダブルウォールタイプが一般的です。ダブルウォールタイプのテントは、二重構造になっているため結露しにくく、保温性が高い特徴があります。テントの裾に、雪や冷気の侵入を防ぐスカートと呼ばれる布が付いているタイプを選ぶと、より保温性を高められます。
冬用テントには、結露を抑えたり、テント内の空気を入れ替えたりするためのベンチレーション(換気口)も必要です。前室(テントの入り口前のスペース)が広いと、荷物置きや雪を避けての作業に重宝します。雪上でもテントをしっかり固定できる、長くて太い、雪専用のペグも合わせて用意しましょう。
» 初心者向け!テントの種類と選び方を徹底解説
調理器具

雪中キャンプでは、寒さに強い調理器具を選びましょう。雪中キャンプでも使いやすい調理器具は、以下のとおりです。
- シングルバーナー
- クッカーセット
- ケトルまたは小さい鍋
- 保温マグカップ
- 水筒や魔法瓶
洗い物をする際は、防寒手袋を使用すると手先からの冷えを防げます。水筒や魔法瓶を使えば、寒い環境でも飲み物の温かさを保てます。
スノーブラシ・スコップ
雪が多い場所でのキャンプでは、スノーブラシとスコップが欠かせません。スノーブラシは、車やテントに積もった雪を払うときに使います。雪を払うブラシと、氷を削るスクレーパー(ヘラ)が一緒になった一体型のスノーブラシが一般的です。
持ち手が伸び縮みするタイプのスノーブラシを選ぶと、車の屋根などの高い場所の雪も楽に下ろせて便利です。スコップは、テントを設営する場所の雪をどかしたり、地面を平らにしたりするときに使用します。スコップは軽量で丈夫なアルミ製や、割れにくい強化プラスチック製がおすすめです。
雪中キャンプの注意点

雪中キャンプは、冬の厳しい自然環境に対応するための準備や知識が必要です。雪中キャンプでは以下の点に注意しましょう。
- 寒さ対策
- テント設営場所
- 一酸化炭素中毒
- 雪や氷による凍結
- 急な天候の変化
寒さ対策
雪中キャンプを安全かつ快適に楽しむためには、寒さへの万全な対策が欠かせません。厳しい寒さは体力を消耗させ、低体温症や凍傷といった危険も伴います。雪中キャンプでは、以下の寒さ対策を行いましょう。
- 重ね着をする
- 小物で冷えを予防する
- 防水性と保温性に優れたブーツを選ぶ
- 体を温める食事を摂る
- テント内の冷え対策をする
服装は重ね着が基本です。汗をかいても乾きやすい素材の肌着を着用し、保温性の高い中間着を重ね、外側に風や雪を防ぐアウターを着用します。帽子や手袋、ネックウォーマー、厚手の靴下を用意し、冷えやすい頭部や首元、手足を守りましょう。
テントの床に銀マットやインナーマットなどを敷くと、地面からの底冷えを軽減できます。低温やけどに注意しながら、湯たんぽや使い捨てカイロを活用すると暖かさを保てます。
焚き火で暖を取る場合は、火の管理を徹底し、風向きにも気をつけましょう。汗や雪で衣服がぬれた場合は、体温が奪われる前に速やかに着替えてください。就寝前にカフェインを含まない温かい飲み物を飲むと、寒さによる夜中の目覚めを防ぐ効果があります。
テント設営場所

雪中キャンプでのテント設営場所は、雪崩や落雪の危険性がない、できる限り平坦な地形を選定しましょう。枯れた木や折れそうな大きな枝がテントの上部にないかも確認し、安全を確保してください。
風の直撃を避けられる林間や、木々の影になる場所を選ぶとテントで快適に過ごせます。雪が適度に踏み固められていたり、締まったりしている場所を選ぶと、安定したテント設営が可能です。
朝日が当たりやすい場所を選ぶと、朝方のテント内が自然と暖まるので、快適な目覚めを迎えられます。川や湖の近くでは、雪解け水による浸水の可能性や、夜間の冷え込みによる地面の凍結に注意が必要です。水辺の近くは、日中は好条件でも夜間に気温が急降下し、想定外のトラブルを招くため避けましょう。
» 【キャンプ初心者必見!】テントの正しい張り方
一酸化炭素中毒
一酸化炭素中毒は、命に関わる危険があるため、雪中キャンプでは特に注意が必要です。一酸化炭素は色も臭いもないため、発生に気づきにくく、知らないうちに吸い込んでしまいます。一酸化炭素中毒の主な原因は、テント内でのストーブやランタン、コンロなどの火気の使用です。
一酸化炭素中毒の初期症状は、頭痛や吐き気、めまいです。重症化すると意識を失ったり、呼吸が苦しくなったりし、最悪の場合は命を落とす危険があります。一酸化炭素中毒を防ぐために、以下の点に配慮しましょう。
- テント内火気使用時の換気
- 一酸化炭素チェッカーの使用
- 就寝時の消火
- 換気しやすいテントの選択
- 車中泊時のエンジン停止
テント内でストーブやランタン、コンロなどの暖房器具や火を使うときは、窓を開けるなどして必ず換気を行いましょう。車中泊でエンジンをかけたままにすると、排気ガスによる一酸化炭素中毒の危険があります。車中泊の際はエンジンを必ず停止しましょう。
雪や氷による凍結

雪中キャンプでは、雪や氷による凍結に気を付けましょう。さまざまなものが凍ることで危険につながったり、快適さが損なわれたりするおそれがあるためです。雪中キャンプでは雪や氷の凍結により、以下のリスクがあります。
- 水道凍結
- 飲食物凍結
- ガス缶冷却
- テント凍結
- 車凍結
- 地面凍結
- 衣類・靴凍結
ガス缶が冷えてしまうと、コンロの火力が弱まったり、火がつかなくなったりします。テントの凍結によるファスナーやポールの破損や、開け閉めが難しくなる場合もあります。地面が凍結していると、テントを固定するためのペグがなかなか刺さりません。
ぬれた衣類や靴がそのまま凍ってしまうと、しもやけや凍傷を引き起こす原因になります。
急な天候の変化
雪中キャンプ中は、天候の変化に常に気を配りましょう。山の天気は変わりやすく、予期せぬ吹雪や強風、急な気温の低下が起こり得るからです。
強風の場合はテントやタープが飛ばされる危険があるので、ペグやロープでしっかり固定することが大切です。大雪の際はテントが雪の重みでつぶれてしまう可能性があるため、こまめに雪下ろしを行いましょう。悪天候時の避難場所や、安全に帰るための道順を確認しておくと、いざという時に役立ちます。
天候が悪化しそうだと感じたら、早めにキャンプを切り上げる判断も必要です。最新の天気予報や警報・注意報は、携帯ラジオやスマートフォンでいつでも確認できるよう準備しておきましょう。
まとめ

事前の準備と知識があれば、初心者の方でも雪中キャンプを満喫できます。雪中キャンプは、雪のアクティビティや美しい星空観察、雪の中での焚き火などの特別な体験ができます。雪中キャンプを安全かつ快適に楽しむための必需品は、以下のとおりです。
- 防寒具
- 寝袋とマット
- 冬用テント
- 調理器具
- スノーブラシ・スコップ
雪中キャンプでは、寒さ対策やテント内での火気の取り扱い、雪や氷による凍結にも注意しましょう。
» 初心者向け!キャンプの準備から場所選びのポイントまで解説